2023.10.31
社長室 【第一話 ヤコブ・ケア J K -157DK 2023/10】
今週10/23(月)〜24(火)、高山に出張してきました。
毎年秋に開催される、年に一度の産地展ですが、コロナの影響もあり4年ぶりの視察です。
月曜日の午後高山に入り、火曜日のお昼過ぎには高山を出発するので実質24時間の滞在なの、駆け足で見て回らないといけないのですが、結果どうなったかといえば…
はじめに伺ったのは、いつもお世話になっている株式会社キタニ。
北欧家具を復刻したことで業界では名の通ったメーカー。
弊社もお取り扱いさせていただいていますが、やり過ぎだろって思うくらいの作りへのこだわりには、いつも驚かされます。
今回発表されていたのは、1950年代にデンマークで活躍したヤコブ・ケアの工房で製作されていたデスクの復刻品。
素材にサペリを使用していて、真っ直ぐ目の通った木目が美しいデスクで、マット(艶消し)仕上げのライティングデスクとハイグロス(鏡面)仕上げのデスクが展示されていました。
古典的な英国スタイルに影響を受けたヤコブ・ケア
デザインの細部にそのスタイルからインスピレーションを得たディティールがモダンなスタイルにアレンジされています。
特に注目は正面と側面
正面の引き出しが収納されている、本体フレームの角の部分をR(曲面)仕上げにしてあります。
この辺はまさに英国のスタイルからインスピレーションされているデザインです。
もちろんこれはデザインなのですが、これを実現することがどれだけ技術的に難しく手間のかかる作業を要するか…
想像するだに恐ろしい。
次に側面を見ると、本体側面と脚部に継ぎ目がありません。
デスク本体はサペリ突板で、脚部はサペリのムク材を使用してるんですが、その境界線が同ヅラ(継ぎ目が無くフラット)に仕上げてあるんです…
本来、継ぎ目が出るところって、目地や微病な段差をつけて逃げるのが一般的な仕上げ方。
ムク材と突板とでは収縮率が若干異なるので、同ヅラに仕上げるのは、相当に難しいはず。
その仕上げ方もお聞きして、なるほどとは思いましたが、そこまでこだわるか!と言葉を失いました。
当然のように、端から端まで木目が通してありますし、他にも天板や脚部の角には、ヒモと呼ばれる細いムク材が三方留め継ぎという技法で取り付けられていたり、ハイグロスに仕上げるためポリウレタンをバフ磨き処理していたりと、お腹いっぱいになるほどいろんな技術が詰め込まれている製品です。
こんな感じで製品を見ているだけで半日過ごしてしまい、初日はキタニ社だけで終了してしましました。
二日目は、午前中に高山に復刻されているフィンユール邸を視察しました…