先月10/23(月)〜24(火)、高山に出張してきました。
毎年秋に開催される、年に一度の産地展ですが、コロナの影響もあり4年ぶりの視察です。
月曜日の午後高山に入り、火曜日のお昼過ぎには高山を出発するので実質24時間の滞在なの、駆け足で見て回らないといけないのですが、結果どうなったかといえば…
出張2日目午前中、前日訪れたキタニの敷地内に復元されているフィン・ユール邸を視察。
NPO法人フィン・ユールアートミュージアムクラブによって運営されている建物。
弊社も微力ながら賛助会員をさせていただいております。
フィン・ユールは、20世紀半ばの1950年ころに活躍した、デンマークの建築家であり家具デザイナーでもあります。
とりわけ、彼がデザインした家具においては浮遊感や曲線など、特徴的なディティールを持つ作品が多く、家具の彫刻家と表現されるのは有名です。
この建物は1942年、当時30歳だったユールがアトリエを兼用する自邸として建築された建物を、日本の建築法規や環境に合わせてここ高山の地に復元されました。
設えなど、現存する資料や有識者のアドバイスを元に現代に復元された建物なのですが、極力建築当時の技法で復元する作業はとても困難な工事だったそうです。
建物の間取りや窓の位置、またその意味など、彼の自邸への思いやこだわりやディティールなど、その工夫のひとつひとつに関心させられ、そこに触れる機会は時間を忘れてどんどん引き込まれていくのでした。
中でも印象的だったのは、建具の枠に角度をとっているところ。
ただ面倒なことをやってるだけのようなこの仕様には理由があり、枠越しに隣の部屋や廊下を見ると、この様子が額装された写真のように見える視覚効果をねらったのだそうです。
うん、確かに美しい。
そうこうしているうちにお昼が近づき、キタニさんの家具しかまだ見ていないことに気がつき、慌ててメイン会場の、飛騨・世界生活文化センター移動しましたが、高山滞在の残り時間はわずか3時間…